■ 西成にベトナム人が増えている背景とは?
大阪・西成区は、昔から「多様な人が共に生きる街」として知られています。
近年、この地域で特に目立っているのがベトナム人の増加です。
かつては飛田本通商店街の約200軒にのぼるカラオケ居酒屋の多くが中国人経営でしたが、
最近ではベトナム人オーナーによる店舗も10軒以上に増えています。
その理由には、次のような要素があります。
- 家賃が安い:大阪市内中心部と比べ、住居コストが低い
- 交通アクセスが良い:難波や天王寺にも近く通勤・通学が便利
- 仕事が見つかりやすい:日本語学校に通いながら飲食店などで働く留学生が多い
- 地域の寛容さ:昔から外国人や日雇い労働者を受け入れてきた土地柄がある
特に、時給1200〜1500円ほどの飲食業アルバイトは、留学生にとって貴重な収入源です。
さらに、ベトナム食材店やリサイクルショップも増え、**“小さなベトナムコミュニティ”**が形成されつつあります。
■ 留学生から定住者へ:西成が「生活の拠点」へ変化
近年では、ベトナム人留学生が卒業後にそのまま西成に住み続けるケースも増えています。
「日本での就職を目指したい」「自分の店を持ちたい」という声も多く、
単なる“一時滞在の街”から**“生活の場”へと変化**しているのが特徴です。
実際、地元ではベトナム語の看板や食堂が目立つようになり、
街並みにも多文化共生の雰囲気が広がっています。
■ 一方で生じる課題と地元住民の懸念
しかし、外国人の増加に戸惑う地元住民の声もあります。
- 夜間の騒音やゴミ出しマナーなど、生活習慣の違いによるトラブル
- 日本語が通じにくいことから、行政との連携が難しいケース
- 地域イベントや自治活動への外国人参加の少なさ
こうした課題を受けて、地域のNPOや支援団体は「日本人と外国人が互いに理解し合う仕組みづくり」が不可欠だと訴えています。
■ 多文化共生社会への一歩:西成の取り組みと今後の展望
西成では、行政やボランティア団体が協力し、次のような取り組みが進められています。
- 多言語での生活ガイド配布
- 外国人向けの無料日本語教室の開催
- 地域清掃活動や文化交流イベントへの参加促進
これらの活動を通じて、外国人も地域社会の一員として関わるきっかけが増えています。
西成の変化は、日本全体が直面する「多文化共生の課題」を先取りしていると言えるでしょう。
■ まとめポイント
- 西成でベトナム人が増加している背景には、安い家賃・通いやすさ・仕事の豊富さがある
- 地域ではベトナム食材店や飲食店が増え、“生活の場”として定着
- 一方で、文化の違いによるトラブルや住民間の摩擦も発生
- 行政やNPOが連携し、共生のための地域モデルづくりが進行中
💬 読者への問い
あなたの住む街でも、外国人住民が増えていると感じたことはありますか?
地域が共に暮らすために、私たちは何を意識すべきでしょうか。
「共生」は、誰かの問題ではなく、これからの日本社会全体のテーマです。
(出典:大阪NEWS【テレビ大阪ニュース】「【なぜ?大阪 西成でベトナム人増加中】多文化許容の地域性 一方トラブル懸念も」