■ 札幌市西区の住宅街でクマの足跡を確認
2025年10月上旬、札幌市西区西野3条7丁目の住宅街でクマの足跡が見つかり、地域住民に不安が広がっています。
足跡は住宅の敷地内で複数発見され、前足の肉球の幅が約9.5cmほど。札幌市は「おそらく2歳前後の若い個体」と推定しています。
現場周辺は、山からやや離れた市街地に位置し、周囲にはスーパーやドラッグストア、学校などもある生活エリア。
住宅街のすぐ先には「北一条宮の沢通り」という交通量の多い幹線道路が通っており、夜間にはパトカーが巡回して注意喚起を行っています。
■ クマの行動経路と目撃情報
札幌市によると、クマは午前0時過ぎに北一条宮の沢通りを横断している姿が目撃されています。
以前、10月2日には近くの宮の丘公園でも1頭のクマが確認されており、同一個体の可能性も指摘されています。
今回の出没は「山から離れた住宅街」である点が特徴的であり、これまでの出没事例とは異なる動きを見せています。
市街地にまでクマが出てきた背景には、
- 餌不足による山からの移動
- 若い個体による縄張り探索
- 市街地近くの果樹や生ゴミへの誘引
などが考えられています。
■ 住民の声「いつ出てもおかしくない」
現場付近に住む住民は次のように話しています。
「朝夕はちょっと怖いですね。山と住宅地がすぐ隣で、定山渓までも近い。いつ出てもおかしくない状況だと思います。当面はそれぞれが気をつけるしかないですね。」
近年、札幌市ではクマの市街地侵入が相次いでおり、2024年にも東区や手稲区で複数の目撃例が確認されています。
人の生活圏と野生動物の境界が曖昧になってきていることが、今回のような事例を増やしていると考えられます。
■ 子どもや通勤者への影響も懸念
今回の現場周辺には小中学校が複数あり、下校時間帯には児童の安全が懸念されます。
札幌市は近隣の学校や自治会に対し、
- 外出は複数人で行動する
- 早朝や夜間の散歩を控える
- ゴミや果物などのクマを引き寄せるものを屋外に放置しない
などの対策を呼びかけています。
また、ドライバーにも注意が必要です。交通量の多い道路をクマが横断した場合、人身事故や二次被害の危険もあります。
■ クマと遭遇した場合の対応
万が一、クマを目撃したり遭遇した場合は、以下の行動を心がけてください。
- 静かにその場を離れる(走って逃げない)
- 背中を見せずに後退する
- 子どもやペットを連れている場合はすぐ屋内へ避難
- 市役所や警察へ速やかに通報
- SNS投稿よりも、まず行政への報告を優先
クマは人間を意図的に襲うことは少ないですが、驚かせたり追い詰めたりすると攻撃的になることがあります。冷静な対応が何より重要です。
■ 札幌市の対応と今後の課題
札幌市は現場周辺に警察と合同でパトロールを強化し、チラシ配布や地域放送で注意喚起を続けています。
しかし、市街地での出没が増えている現状から、
- 森林と住宅地の緩衝帯整備
- 餌となる生ゴミや果樹の管理強化
- 防災教育や啓発活動の拡充
といった中長期的な対策が求められています。
■ まとめポイント
- 札幌市西区の住宅街で2歳前後とみられるクマの足跡を発見
- 北一条宮の沢通りを横断する姿が午前0時過ぎに目撃
- 山から離れた市街地への出没で、住民や子どもへの影響が懸念
- 市はパトロール・注意喚起を実施中
- 市民は「ゴミ管理」「単独行動の回避」「通報」を徹底
自然と人間の生活が交わる北海道では、共生のための意識と対策が今後ますます重要になりそうです。
(出典:HTB北海道ニュース 公式サイト「札幌市西区の住宅街でクマの足跡発見、交通量の多い通りにも出没 現場から段木アナが中継」
