■ なぜ今「夜の街」が注目されているのか
日本各地で進む物価高と人件費の高騰。
その影響は、昼間の生活だけでなく、夜の繁華街にも深刻な影を落としています。
全国のクラブやバーの倒産件数は、昨年過去10年で最多の88件。
一方で、名古屋市中区の繁華街「錦三」では、
“不動産バブル”とも呼べる物件争奪戦が起きているといいます。
「夜の街」が苦境とチャンスの両方を抱えるいま、
東海地方最大の歓楽街・錦三の“リアルな現場”を見ていきましょう。
■ 全国で倒産が相次ぐ「クラブ・バー業界」 背景に“二次会離れ”
東京商工リサーチによると、
2024年のクラブ・バーなどの倒産は前年比で大幅増。
主な原因は以下の3つです。
- 食材やお酒などの物価高騰
- スタッフの人件費上昇
- コロナ禍以降の**「二次会離れ」**
名古屋・錦三でも、「一次会で帰る」という人が増えており、
高級クラブを中心に来客数が大きく減少しています。
■ 「二次会がなくなった…」錦三のママたちが語る“夜の現実”
錦三の人気クラブ「美さき」のママ、村井美咲さんはこう語ります。
「食事までは錦に来るけれど、『二次会は帰ります』という人が増えた」
「本当に頑張らないと、生き残れない時代です」
一番安いボトルでも、席料を含めると1人あたり4万円近く。
「夜にお金を使う人」自体が減りつつある現状が浮き彫りです。
一方、企業の接待など“景気を回す”場として錦を訪れる経営者もおり、
「お金を使うことで地域経済を支えたい」という声も聞かれます。
■ 「限られた客を取り合う」激しい生存競争
別のクラブ「CLUB MILLE CHARME」では、
働く女性の数が減り、同じ顧客を複数の店で奪い合う状況だといいます。
「今はお酒や雰囲気が好きな常連さんだけが残っている」
(もえママ)
接待文化の衰退とともに、
夜の街では「新規顧客の開拓」が最大の課題となっています。
■ 一方で活況の“焼き鳥屋”と“ドレスショップ” 夜の街は二極化
高級クラブが苦戦する中、
庶民的な飲食店はむしろコロナ前より繁盛しているようです。
錦三の焼き鳥店「富士子」では、
「今は前よりお客さんが増えている」と店長。
また、ドレスショップ「Andy」では、
キャバクラやバーで働く女性向けの衣装が好調な売れ行き。
「モチベーションを上げたい」と新しいドレスを買う女性が増えており、
景気の波の中でも“前向きに頑張る人たち”が夜の街を支えています。
■ “夜の街不動産”が熱い! ボロ物件でも数百万円の争奪戦
興味深いのは、繁華街の不動産市場が活況を見せていることです。
錦三を拠点に活動する不動産業者・エリー妃沙子社長によると、
「いい立地の物件はボロボロでもすぐ売れる」
実際、使用感のある小さなバー物件でも、
500万円〜1000万円近くで取引されるケースもあるといいます。
理由は、
- 初期費用を抑えられる「居抜き物件」が人気
- 若者によるシーシャバーや小型バーの出店が急増
繁華街の構造が、「富裕層向けクラブ」から「若者バー」へと
大きくシフトしているのです。
■ 夜の街の“再生”はここから始まる?
「錦三=バブル期の象徴」というイメージを持つ人も多いですが、
実際には今、若者と新規事業者が新しい夜の文化を作り始めている場所でもあります。
店の入れ替わりは激しくても、
街に人が戻り始めているという事実は、名古屋経済にとって希望の兆しかもしれません。
「形は変わっても、錦三の“灯”は消えない。」
あなたはどう思いますか?
- 二次会文化がなくなったのは時代の流れでしょうか?
- “夜の街”の衰退と再生、どちらを感じますか?
- もしあなたが店を出すなら、どんな業態にしますか?
まとめポイント
- 全国でクラブやバーの倒産が急増、物価高と人件費高騰が原因
- 錦三でも「二次会離れ」が進み、高級店が苦戦
- 一方で庶民的な飲食店やドレス店は好調
- 繁華街の不動産は“争奪戦”状態、若者の出店が増加
- 夜の街は衰退ではなく「形を変えた再生期」に入っている
(出典:Yahoo!ニュース「名古屋“錦三”のママ「二次会が減った…」 全国で相次ぐクラブやバーの倒産 物価高や人件費高騰で夜の街ピンチ!? 一方で不動産は“繁華街の物件”争奪戦」
