■ なぜこのニュースが注目されているのか
北海道・倶知安町（くっちゃんちょう）で、最大1200人の外国人労働者が住む住宅街を開発する計画が進んでいます。
この計画は、農地だった土地を宅地に転用して行う大規模なもの。
一方で、「治安の悪化」や「地域との共生」などを不安視する声も少なくなく、地域住民と行政の間で意見が分かれています。
この問題は、北海道だけでなく、観光地や地方都市が抱える「人手不足」と「外国人労働者の受け入れ」という全国的な課題を映し出しています。
■ 何が起きているのか ― 開発計画の概要
開発が計画されているのは、倶知安町の約2.7ヘクタールの農地。
地元の外資系不動産業者が、外国人労働者やその家族ら最大1200人が暮らせる住宅街を建設する予定です。
この土地はこれまで農地として利用されていましたが、北海道は**「周辺農地への影響がない」**と判断し、
2025年10月16日付で「農地転用」および「都市計画法に基づく開発許可」を出しました。
■ 反対の声と地域の懸念
開発に対しては、町民4315人分の反対署名が北海道に提出されています。
主な懸念として挙げられているのは以下の通りです。
- 外国人の増加による治安悪化の不安
- 急激な人口変化による地域コミュニティの崩壊
- ごみ処理や水道インフラの負担増
- 地元農業への間接的な影響
住民の中には「観光業の人手不足を理解しているが、規模が大きすぎる」と戸惑う声もあります。
■ 北海道知事のコメント ― 「人手確保と安心の両立を」
鈴木直道知事は記者会見で、観光産業における人手不足を踏まえ、次のように述べました。
「冬の観光シーズンには多くのお客さまが訪れる。労働力の確保は大切なこと。倶知安町と連携し、住民の不安を払拭していきたい。」
知事は、観光業の持続的な発展と地域の安全・安心の両立を重視する考えを示しています。
■ 背景：倶知安町は“外国人リゾート化”が進む地域
倶知安町は、スキーリゾート「ニセコ」エリアの一部として、海外からの観光客や投資家が急増しています。
外国資本による土地取得や宿泊施設開発が相次ぎ、近年では**「外国人のまち化」**と呼ばれるほど国際色が強まっています。
こうした中での住宅街開発は、「労働力確保」という面では必要性がある一方、地域との共生モデルをどう構築するかが問われています。
■ 今後の課題と展望
- 治安・生活環境への配慮：住民との対話やルール作りが不可欠。
- 外国人労働者の生活支援：言語・文化の違いを超えた支援体制の整備が求められる。
- 観光業の持続性：一時的な人手確保ではなく、地域と共に発展できる仕組みが必要。
あなたはどう思いますか？
観光地の発展と地域の安心、両立する道はあるのでしょうか。
■ まとめポイント
- 北海道倶知安町で外国人労働者向け住宅街の開発が許可された。
- 最大1200人規模の大規模計画に、町民からは反対署名も。
- 北海道知事は「人手確保も重要」と述べ、住民の不安軽減に努める方針。
- 倶知安町は外国人観光客・労働者の増加が進む地域。
- 今後は「共生と安心」を両立する取り組みが求められる。
（出典：HTB北海道ニュース「倶知安町の外国人労働者住宅街 用地転用許可の北海道知事「労働力確保も大切、住民の不安払拭に努めたい」
