北海道・釧路湿原のメガソーラー計画に全国から批判の声
北海道・釧路湿原周辺で進められているメガソーラー建設をめぐり、全国的に反対の声が高まっています。
自然環境の破壊やタンチョウの生息地への影響、水源地の安全確保など、懸念は多岐にわたります。
2025年10月3日の定例会見で鈴木直道知事は、この問題について言及し、「道民の不安や懸念に寄り添い、道としてできることを徹底してやっていく」と発言しました。
しかし、建設の「中止命令」については明確に否定し、あくまで法的手続きの範囲内で事業者に改善を求めていく姿勢を示しました。
鈴木知事「中止命令は出さず」その理由とは?
知事は会見で、「森林法違反により一部工事の中止を勧告した」と説明しつつも、全面的な停止命令は出していません。
「都市計画法や文化財保護法など、複数の関連法令に基づき、改善を求めている段階」として、行政としての対応を強調しました。
つまり、**「法令に基づいた手続きの中で慎重に判断している」**というのが現時点でのスタンスです。
しかし一方で、住民の間では「このまま建設が進めば手遅れになる」との懸念も強まっており、知事の対応は“慎重すぎる”との批判も相次いでいます。
著名人も現地視察 野口健氏・つるの剛士氏が懸念を表明
10月2日には登山家の野口健さんとタレントのつるの剛士さんが現地を視察し、「国の法整備の遅れが地方にしわ寄せを生んでいる」と指摘。
「北海道から問題提起をすることで、国にプレッシャーを与えられるはずだ」と述べ、鈴木知事に対してもより強い姿勢での対応を求めました。
SNS上でも「このままでは北海道が外国資本に飲み込まれる」「環境保護と経済発展のバランスを考えるべき」といった声が広がっています。
外国人による森林伐採・土地買収問題も深刻化
会見では、外国人による水源地買収や違法な森林伐採の問題にも質問が及びました。
これに対して鈴木知事は、北海道の「水資源保全条例」を改正し、従来よりも迅速に悪質なケースへ対応できるよう体制を強化したと説明。
以前は「複数の無届け事案」が確認されなければ対応できなかった制度を見直し、一件でも悪質と判断すれば直ちに対処できるようにしたと述べました。
こうした背景には、北海道各地で外国資本による土地買収が増加している現状があります。特に水源地や森林地域の買収は、環境保全や国土安全保障の観点からも懸念が高まっています。
「リコールデモ」には無言 知事の姿勢に批判も
9月下旬から札幌市内では、「鈴木知事の対応に抗議するリコールデモ」が行われています。
しかし知事は会見で、「詳細は知らない」と述べ、事実上の黙殺ともとれる対応を取りました。
この発言に対しては、
「道民の声を無視しているのでは」
「批判を受け止める姿勢が見えない」
など、道民の間から不信感も広がっています。
今後の焦点は「国との連携」と「環境保護の線引き」
鈴木知事は、「総裁選でも再生可能エネルギーの活用が争点となっている。国の動きを見ながら対応したい」と発言しました。
つまり、国のエネルギー政策の方針次第で、北海道としての立場を調整する構えです。
しかし、釧路湿原という日本有数の自然遺産が関わるだけに、「後手の対応では取り返しがつかない」とする専門家の声も多く、道政としての判断が問われています。
🔍 まとめポイント
- 鈴木知事は中止命令を出さず、「法に基づいた改善指導」を継続
- 釧路湿原メガソーラー建設には全国から反対の声が高まる
- 野口健氏・つるの剛士氏らが現地視察し、法整備の遅れを批判
- 外国人による森林伐採・土地買収問題に対し、条例改正で迅速対応へ
- リコールデモには言及を避ける姿勢に批判も
- 北海道の環境保護と再エネ推進の“線引き”が今後の焦点
(出典:Yahoo!ニュース「【釧路湿原メガソーラー】北海道の鈴木直道知事「道民の不安や懸念に寄り添い、道としてできることを徹底してやっていく」外国人などによる違法森林伐採・水源地買収への対応は?」
