自民党総裁選(投開票:10月4日)に立候補している5人の候補者が、10月27日にYouTubeで生配信された「ひろゆきと語る夜 #変われ自民党 日本の未来を語れ!自民党総裁選」に出演し、小泉進次郎農相(44)の陣営に関連する“ステマ投稿”問題について、それぞれの見解を示しました。
この配信には、小泉氏のほか、小林鷹之元経済安保担当相、茂木敏充前官房長官、林芳正官房長官、高市早苗前経済安保担当相、そして実業家のひろゆき氏が出演しました。
ステマ投稿問題の経緯
25日発売の週刊文春によると、小泉陣営の広報班長を務めていた牧島かれん元デジタル担当大臣の事務所関係者が、陣営関係者に対して「ニコニコ動画」に小泉氏を称賛するコメントを投稿するようメールで要請していたことが報じられました。メールには以下のような文例が示されていました。
- 「総裁まちがいなし」
- 「泥くさい仕事もこなして一皮むけたのね」
- 「ビジネスエセ保守に負けるな」(高市氏を念頭に置いた文言)
この問題を受け、牧島氏は広報班長を辞任しました。
配信での候補者の反応
配信中、ひろゆき氏は各候補者に「ステマについてどう思うか」と核心を突いた質問を投げかけ、1人当たり2分の持ち時間で見解を求めました。
- 小林氏:海外アカウントからの情報投稿について問題視したものの、「謝罪して再発防止に努めると言っている」と述べ、党内の融和を重視する発言にとどめました。
- 茂木氏:ステマは良くないと指摘しつつ、「ご自身がやったことではないが、責任を感じている」とコメント。党内全体でフェアに行動すべきと強調しました。
- 林氏:ステマ投稿自体よりも「自然発生的なコメントであれば問題ではない」とし、小泉氏については「リーダーとして責任をとって謝罪する姿勢はある」と称賛しました。
- 高市氏:質問を短くかわし、「憎み合ってどうするという考え」と笑顔でコメント。
全体として、他候補から小泉氏陣営の失策を強く追及する声はあまり上がらず、総裁選論戦は融和的な雰囲気で進んだ印象です。
ポイントとまとめ
- ステマ投稿の内容:小泉進次郎陣営の関係者が、ネット上で称賛コメントやライバル批判コメントを投稿するよう指示
- 陣営の対応:牧島かれん氏が広報班長を辞任、小泉氏自身は謝罪
- 他候補の反応:追及はほとんどなく、林氏は小泉氏の対応を称賛
- 総裁選への影響:論戦は融和的、党内の争点よりも党全体の一体感重視の姿勢が目立つ
- 政治的示唆:SNSやネット投稿を巡る陣営運営の透明性や責任問題が浮き彫り
今回の件は、ネットを通じた政治的情報操作の問題点を示すとともに、党内融和を優先する自民党総裁選の特殊な論戦環境を象徴する事例となっています。