今回のジジポリでは、北海道北広島市の路線バス廃止問題と、検討されている代替交通の案について解説していきます。
① 導入:バス廃止が暮らしを直撃する「地域の足」問題
北海道北広島市で、長年市民の通勤・通学に利用されてきた**北海道中央バスの「さんぽまち・東部線」**が、来年3月で廃止される方針となりました。
市民からは「交通手段がなくなる」「買い物にも行けなくなる」といった声が相次いでいます。
バスがなくなることは、単に交通の問題だけでなく、高齢化が進む地域社会の生活基盤を揺るがす重大な問題です。
② 概要:年間43万人が利用する路線が廃止へ
「さんぽまち・東部線」は、北広島駅周辺から離れた山手町・松葉町エリアを結ぶ住宅街路線で、年間約43万人が利用しています。
通勤や通学、通院、買い物など、日常生活のあらゆる場面で市民の「足」となってきました。
しかし、北海道中央バスは2025年3月末での廃止を市に通達。
理由は乗務員不足と採算の悪化です。全国的なバス運転手不足の波が、ついに地方都市にも及んできました。
地元住民からはこんな声が上がっています。
「通勤で毎日使っている。なくなったら困る」
「車を手放した高齢者はどうすればいいのか」
実際、山手町3丁目の自治会長・板垣恭彦さんは「死活問題だ」と訴え、市民団体を立ち上げて3,000筆以上の署名を提出しました。
③ 専門用語の解説(初心者向け)
- 路線バス:決まった経路・時刻表で運行する公共バス。市民の生活の足として欠かせません。
- 代替交通(だいたいこうつう):バスなどが廃止された際に、その代わりとなる交通手段。例:コミュニティバスやジャンボタクシー。
- 乗務員不足:バス運転手などの担い手が足りない状態。高齢化や長時間労働の問題が背景にあります。
④ 影響と今後の対応:代替案の鍵は「持続性」
北広島市は、廃止に伴う影響を「非常に深刻」と受け止めています。
企画課の下野直章課長は、「移動手段のない町になる」と懸念を示しました。
現在、市が検討している代替案は主に2つです。
- 別の路線「広島線」を拡充してカバー
- 9人乗りのジャンボタクシーを新たに導入
しかし、協議会では「シート数が少ない」「高齢者が多い地域に合わない」といった懸念の声も出ています。
つまり、「安定した運行」と「高齢者に優しい仕組み」の両立が課題となっています。
このような地方交通問題は全国でも増加中です。
人口減少と高齢化が進む中、地域公共交通の維持はどの自治体にとっても避けて通れないテーマとなっています。
あなたの地域でも、もし主要なバスがなくなったらどうしますか?
「移動の自由」が失われることは、生活の質の低下にも直結します。
⑤ 読者への問いかけ
北広島市のようなケースは、北海道だけでなく全国各地で起きています。
自治体や民間企業、そして市民が協力して持続可能な交通モデルをどう作るか――これが今後の課題です。
⑥ まとめポイント
- 北広島市の路線バス「さんぽまち・東部線」が来年3月で廃止予定
- 年間43万人が利用、特に高齢者に深刻な影響
- 市はジャンボタクシーなどの代替案を検討中
- 住民から3,000筆の署名が提出されるなど反発も強い
- 地方交通の維持には「公共性」と「採算性」の両立が不可欠
🧭まとめポイント
- 北広島市の路線バス廃止は地域交通の根幹に影響
- 高齢者や免許返納者の生活に直結する問題
- 市は代替案としてジャンボタクシー導入を検討
- 住民団体が署名活動を実施し存続を訴える
- 地方交通の持続性確保が全国的課題に
(出典:HTB北海道ニュース「交通手段がなくなってしまう」北広島市路線バス廃止方針に住民困惑、代替交通案が協議される


