自民党総裁選の投開票が10月4日に行われます。情勢的に「決選投票は必至」と見られる今回の総裁選は、誰が勝ち残り、どのような組み合わせになるかによって結果が大きく変わると注目されています。ここでは、政治部記者の分析をもとに、決選投票で想定される 3つのシナリオ を整理しました。
■ シナリオ1:「高市早苗氏 vs 小泉進次郎氏」
最も可能性が高いとされる組み合わせが、高市早苗前経済安保担当相と小泉進次郎農林水産相の対決です。
この場合、重要なカギを握るのは以下の5つのグループです。
- 麻生派
- 旧岸田派
- 林芳正氏の陣営
- 小林鷹之氏の陣営
- 茂木敏充氏の陣営
特に旧岸田派と林陣営は小泉氏寄りとされ、票が「ごっそり」流れる可能性があります。一方で、小林陣営は「世代交代なら小泉氏」「保守的スタンスなら高市氏」と割れる見方もあり、結果は拮抗。
現時点では 小泉氏優位 と見られていますが、麻生太郎氏や茂木氏の動向次第で情勢が変わる可能性もあります。
■ シナリオ2:「高市早苗氏 vs 林芳正氏」
次に想定されるのが、高市氏と林氏の対決です。
この場合、旧岸田派や小泉陣営は林氏を支持する流れが強いとされています。一方で、小林陣営は「保守的な政策が近い」として高市氏を支持する可能性も。
ただし党内には「高市氏の保守的スタンスは強すぎる」と懸念する声も根強く、総合的には 林氏有利 という見方が優勢です。もっとも、この組み合わせが実現する可能性は「低い」と分析されています。
■ シナリオ3:「小泉進次郎氏 vs 林芳正氏」
最も予測が難しいのがこの組み合わせです。
麻生派は林氏と距離があるため、小泉氏を支持する可能性が高いとされます。しかし、旧岸田派は板挟み。林氏は旧岸田派出身でありながら、小泉陣営には岸田氏の側近も関わっているため、岸田文雄前総理がどちらを選ぶのかが読めません。
さらに高市陣営、小林陣営、茂木陣営の票がどちらに流れるかも予測困難。最終的には「どちらが勝つか全く読めない展開」となる可能性が高いです。
■ 自民党は「変われるのか」も問われる総裁選
今回の総裁選では「#変われ自民党」が掲げられていますが、候補者たちが派閥の長を訪ね歩く姿からは「結局は派閥政治ではないか」という疑念も浮上しています。党内の若手議員からは「解党的出直しと言いながら時計の針が戻っている」という批判も出ています。
✅ まとめのポイント
- 自民党総裁選は決選投票が確実視され、3つのシナリオが想定される。
- 「高市氏 vs 小泉氏」なら小泉氏がやや優位、「高市氏 vs 林氏」なら林氏優位、「小泉氏 vs 林氏」は予測不能。
- 党内の派閥力学と「この候補は避けたい」という消極的な理由が、決選投票の行方を大きく左右する。
- 公正さとともに、自民党が本当に「変われるのか」が問われる選挙となる。
(出典:Yahoo!ニュース「【解説】どうなる?決選投票…3パターンを徹底分析 「総裁選」4日投開票」
