2025年9月下旬、スペイン出身とされる外国人配信者による電車内での迷惑行為がSNSで話題となり、ネット上で物議を醸しました。この配信者は、人気アニメ『ワンピース』の主人公・ルフィを模したファッションで活動しており、世界各地を巡る様子をライブ配信しています。登録者数はYouTubeで約2050人、TikTokでは約5600人と比較的少数ながら、一部の動画は注目を集めています。
問題となった行為は、電車内でのライブ配信中に、他の乗客とトラブルになった場面です。配信者は麦わら帽子をかぶり、優先座席に座って身振り手振りを交えながら配信を行っていました。注意した高齢男性乗客に対して、配信者は「何が起きたの?」と反応し、男性が再度注意すると、配信者は男性の腹部を両手で突き飛ばし、その後さらに背中を押す行動に及びました。幸い男性に大きなけがはありませんでしたが、車内での暴力的行為として、ネット上では批判の声が広がっています。
JR九州の対応と現場の状況
このトラブルが発生したのは、9月22日午後11時半ごろ、佐賀県鳥栖市の鹿児島本線鳥栖駅付近です。男性が「暴力を受けた」と駅員に申告したことにより、駅員と乗務員が現場に駆け付け事情を確認しました。しかし、鉄道警察隊への通報は行われませんでした。その理由についてJR九州は以下のように説明しています。
- 男性乗客が「電車を遅らせたくない」「警察を呼ばなくてよい」と希望したため。
- 配信者を車掌の目の届く座席まで移動させ、他の乗客とのトラブルを避ける対応を行った。
- 駅員や乗務員は暴力行為を直接目撃しておらず、配信者への厳重注意などの踏み込んだ対応は難しかった。
この対応は、安全確保と乗客の希望を両立させる形でしたが、一方でネット上では「逮捕案件では?」や「警察を呼ぶべき」といった声も上がり、議論を呼んでいます。
配信者の過去の迷惑行為と社会的影響
今回の件に限らず、配信者は以前から日本国内で迷惑行為を繰り返しています。夏ごろには、青森県と思われる神社で無断侵入したり、カラオケ店に向けて花火を打つ様子を動画に収めるなど、公共の場でのルール違反行為をSNSに投稿していました。こうした行為は、安全性や公共秩序に対するリスクとして懸念されています。
SNSでのライブ配信は、視聴者の関心を引く一方で、周囲に迷惑をかけたり安全を脅かす可能性があります。公共交通機関では、写真撮影や動画配信のルールを守ることが求められます。
公共交通機関での安全確保のポイント
JR九州の担当者は、車内での迷惑行為や安全を損なう行為について以下の点を強調しています。
- 他の乗客への迷惑行為は禁止:車内での暴力や過剰な騒音、危険行為は認められません。
- トラブルを発見した場合は乗務員に報告:乗務員が注意喚起や対処を行います。
- SOSボタンの活用:緊急時には車内のSOSボタンで迅速に乗務員を呼ぶことができます。
このように、公共交通機関では乗客自身が安全を確保するための手段が用意されています。
中立的な視点での考察
今回のトラブルを中立的に見れば、以下の点が重要です。
- 配信者による不適切行為と暴力は批判されるべきだが、男性乗客も注意の際に身体的接触があったことから、双方の行動がエスカレートした面がある。
- 鉄道会社は、乗客の希望と安全確保のバランスを考慮して対応しており、安易に警察介入に踏み切らなかった。
- SNS拡散による炎上は、現場の状況を部分的に切り取った情報によるもので、事実関係を冷静に判断する必要がある。
まとめ:今回の電車内トラブルのポイント
- 9月下旬、外国人配信者がJR九州の電車内でライブ配信中に高齢男性とトラブル、男性を突き飛ばす行為が発生。
- ネット上では「逮捕案件では?」など厳しい意見が多数。
- JR九州は鉄道警察隊を呼ばず、配信者を車掌の目の届く座席へ移動させる対応にとどめた。
- 配信者は以前にも公共の場で無断侵入や騒音行為などの迷惑行為を行っていた。
- 公共交通機関では、迷惑行為発見時に乗務員やSOSボタンを利用することが安全確保に重要。
- 中立的には、双方の行動や鉄道会社の対応を踏まえ、冷静な判断が必要。