2025年に開催されている大阪・関西万博で、未使用入場券を当日券に交換する制度が27日から始まりました。しかし「並ばない万博」を掲げていたはずの会場では、徹夜で順番待ちをする家族連れや観光客が相次ぎ、不満や疲労の声が広がっているのが現状です。
早朝から長蛇の列、徹夜組も多数
当日券交換の受付は午前6時台には締め切られ、正午入場分の枠は瞬く間に埋まりました。前日から会場近くで野宿して並ぶ家族もおり、神戸市から訪れた主婦は「始発で来る予定だったが、深夜に様子を見に行くとすでに列ができていたため、予定を変えてそのまま泊まり込んだ」と語ります。
小学6年生の長男と一緒に来場した彼女は「夏休みに来るつもりが予約枠が取れず、今回は“賭け”のつもりだった」と話し、長男は「楽しみと眠気が半々」と笑顔を見せました。
「並ばない万博」とのギャップ
一方、岡山市から訪れた会社員の男性は午前1時に車で到着したものの、すでに列ができていることに驚き並ぶことを決断。「並ばない万博のはずなのに、結局は長時間並ばなければならないのか」と不満を漏らしました。
また、兵庫県西宮市から来た夫婦も午前4時に出発し、電車を乗り継いで到着したものの、ギリギリで正午入場に間に合う順番でした。
こうした状況に対し「当日券交換の枚数や受付終了時間が公式アプリなどに明記されていない」「会場でも『ここまで並んだ人は入場可能』といった案内がない」と、情報不足や不親切さを指摘する声が相次いでいます。
運営への課題
万博は国内外から多くの来場者が見込まれる一大イベントですが、当日券制度の不透明さや運営の不親切さは来場者体験を損ないかねません。
「並ばない万博」という理想と現実の乖離は、今後の混雑緩和策や情報提供の改善が急務であることを浮き彫りにしました。
まとめのポイント
- 当日券交換初日から長蛇の列が発生し、徹夜組も多数
- 「並ばない万博」との理念に反し、待機行列で疲労や不満が噴出
- 公式情報が不足しており、来場者にとって不親切な運営との声が強い
- 今後は混雑対策と透明性のある案内改善が不可欠