北海道東部にある雌阿寒岳(めあかんだけ)で、2025年9月に17年ぶりとなる小規模噴火が確認されました。
14日には、北海道庁で火山防災に関する専門家会議が開かれ、最新の火山活動の状況と今後の警戒方針が報告されました。
専門家らは「火山活動の活発な状態が続いており、現時点で沈静化の兆候は見られない」として、引き続き**噴火警戒レベル2(火口周辺規制)**を継続する方針を示しました。
雌阿寒岳とは?北海道を代表する活火山
雌阿寒岳は、阿寒摩周国立公園内にある標高1499メートルの活火山で、登山や観光地としても人気の高い場所です。
一方で、過去には1903年や1955年などに噴火を繰り返しており、北海道の中でも活動的な火山として知られています。
今回の噴火は2008年以来、実に17年ぶり。
観光シーズンと重なったこともあり、地元自治体では観光客への注意喚起が強化されています。
火山活動「明確な低下傾向はない」専門家の見解
札幌管区気象台の長山泰淳・火山活動評価官は、会議で次のように説明しました。
「基本的には火山活動の活発な状態が続いていると考えています。今のところ明確な低下傾向は認められません」
これは、火山ガスの放出量や地殻変動など、活動が依然として高い水準にあることを意味します。
そのため、現在の「火口周辺規制」が解除される見通しはまだ立っていません。
噴火警戒レベル2とは?登山者が知っておくべきこと
現在、雌阿寒岳の噴火警戒レベルは2に設定されています。
これは「火口周辺への立ち入りを規制する」段階で、次のような意味があります。
- 火口から約1km圏内は立ち入り禁止
- 登山道の一部が閉鎖される可能性
- 火山ガスによる中毒や噴石の危険性がある
特に、登山を計画している人は最新の火山情報を必ず確認することが重要です。
なぜ今、雌阿寒岳に注目が集まるのか
近年、全国的に火山活動が再び活発化しています。
霧島山(新燃岳)や桜島などでも小規模な噴火が続いており、「いつどこで起きてもおかしくない」という警戒感が広がっています。
北海道も例外ではなく、雌阿寒岳のほか、十勝岳や樽前山、倶多楽(くったら)火山などでも活動の兆候が観測されています。
「登山や観光が盛んな地域だからこそ、いざという時の避難経路や情報伝達の体制を整えておくことが大切だ」と専門家は指摘します。
あなたはどう思いますか?
自然の力を完全に止めることはできません。
しかし、科学的な観測と日常の備えによって、被害を最小限に抑えることはできます。
あなたは、もし旅先で噴火警報が出たらどう行動しますか?
今のうちに、「自分と家族をどう守るか」を考えておくことが、最大の防災対策です。
まとめポイント
- 雌阿寒岳で17年ぶりの小規模噴火を確認
- 火山活動は依然活発で、明確な沈静化は見られず
- 噴火警戒レベル2「火口周辺規制」が継続中
- 登山者は最新情報の確認と安全対策が必須
- 北海道全体で火山防災意識の向上が求められる
(出典:HTB北海道ニュース「火山活動の活発な状態続く」17年ぶり小規模噴火の雌阿寒岳 噴火警戒レベル2「火口周辺規制」を継続
