ドイツ・ベルリンで設置されていた「従軍慰安婦の少女像」をめぐり、行政裁判所が韓国系市民団体に撤去を命じる判断を下しました。
この問題は、歴史認識や国際関係にも関わるデリケートなテーマであり、世界でも注目を集めています。
少女像撤去命令の経緯
ベルリンのミッテ地区に設置された慰安婦像は、韓国系市民団体「コリア協議会」が中心となり、日本軍の元慰安婦とされる被害者を象徴する像として2020年に設置されました。
当初、設置は期間限定の許可を受けて行われましたが、設置期間を過ぎても存続を続けたため、ベルリン市当局が撤去を求めていました。
この決定に不服を申し立てたコリア協議会は、**「歴史の記憶を守るために設置を続けたい」として裁判所に仮処分を申請。しかし、行政裁判所は13日、団体の訴えを退け、「公有地に設置を容認し続ける権利はない」**と判断しました。
裁判所の判断理由
裁判所は、「少女像の設置を続けることは行政上の許可を超えており、公共の利益に反する」と指摘しました。
また、**「撤去が妥当な措置であり、従わない場合は強制手段も検討される」**と明記しています。
コリア協議会側は今後、上訴する方針を示しており、最終的な決着には時間がかかる見通しです。
日韓関係への影響
慰安婦像をめぐる問題は、長年にわたり日本と韓国の間で外交的な摩擦を引き起こしてきたテーマです。
ベルリンでの設置当初も、日本政府が「両国関係に悪影響を及ぼす」として抗議していました。
今回の裁判所の決定は、ドイツ国内でも「表現の自由」と「外交配慮」のどちらを優先するかという議論を呼んでいます。
あなたはどう思いますか?
「歴史を記憶として残すこと」と「他国との関係を保つこと」は、どちらを優先すべきなのでしょうか。
背景:少女像とは?
「従軍慰安婦の少女像」は、1990年代以降、韓国を中心に世界各地に設置されている像です。
椅子に座る少女の姿を通じて、戦時中に被害を受けた女性たちの記憶を伝える象徴となっています。
ただし、像の設置をめぐっては、政治的・外交的な意味合いが強くなり、地域住民や自治体との摩擦も起こっています。
今後の見通し
今回の裁判所の命令を受け、コリア協議会が上訴する可能性が高く、像の撤去時期はまだ明確ではありません。
ベルリン市としても、今後の対応を慎重に進めると見られています。
この問題は単なる「撤去か存続か」だけでなく、歴史をどのように共有し、未来に伝えるかという国際的な課題を突きつけています。
まとめポイント
- ベルリンの行政裁判所が少女像の撤去を命令
- 設置を主導した韓国系団体「コリア協議会」は上訴を検討
- 日本政府は以前から撤去を求めて抗議
- ドイツ国内でも「表現の自由」と「外交配慮」をめぐる議論が活発化
- 今後の上訴結果次第で、像の存続が最終的に決まる見通し
(出典:Yahoo!ニュース「ドイツ裁判所、少女像撤去命令 首都ベルリン、韓国団体に」
