ハローワークの求人は本当に安心?「虚偽求人」や「常連企業=ブラック」問題をわかりやすく解説
なぜ「ハローワーク=ブラック求人」と言われるのか
ハローワーク(公共職業安定所)は、国が運営する公的な就職支援サービスです。企業は無料で求人を掲載できるため、中小企業や個人事業主でも手軽に人材募集ができるという利点があります。
しかしその一方で、**募集内容と実際の労働条件が違う「虚偽求人」**や、何度も求人を出している“常連企業”に離職率の高い職場が多いという声も少なくありません。こうした構造的な問題が、「ハローワーク求人=信用できない」という印象につながっているのです。
転職するならハローワークだけは使ったらダメ。刑務所は要ったほうがましな限界ブラック求人が10割。なのでエージェントを使おう。高学歴はJAC、コンサルならムービン、メーカーは地元密着型がいい。断られたらリクルートエージェント…ではなくビズリーチでいい担当者を探そう。
— ただのうりぼー (@uribou_king) September 27, 2025
ハローワークはブラック企業とカラ求人しかないのだ。
— ぬまずんだもん (@nuooo2635) May 20, 2025
まともな企業があったとしても倍率はくそ高いのだ。
失業保険をもらいに行く場所なのだ
果ては上でおススメされてたエージェントまでブラックだという人まで・・・
なんや…
— 春狐 (@miminagaryu900) September 22, 2025
転職エージェントでもブラック…
ハローワークもブラック…
なん?日本の企業ってブラックしかないの?
制度と実態:虚偽求人は法律で禁止されています
厚生労働省が定める「職業安定法」では、労働者募集における虚偽や誤解を生じさせる表示は禁止されています。求人票には以下の項目を明確に記載する必要があります。
- 募集主の氏名・住所・連絡先
- 業務内容・就業場所
- 賃金・労働時間・休日など
もし求人票と実際の労働条件が違う場合は、**ハローワークの「求人ホットライン」**に申し出ることができます。内容を確認の上、企業には是正指導が行われます。
厚労省によると、令和2年度には4,211件の「求人内容が実際と異なる」という申し出がありました。これは決して一部の特殊なケースではないことを示しています。
よくある「求人が嘘」パターン
① 固定残業代(みなし残業)で給与を高く見せる
「月給20万円」と書かれていても、その中に40時間分の残業代が含まれていることがあります。超過分が支払われないなどのトラブルも多く、厚労省も固定残業の明示を企業に指導しています。
② 募集内容と実際の業務がまったく違う
「企画職」として応募したのに、入社後は全く関係ない作業を任されるケース。労働条件が変わる場合は、書面での再提示が必要です。
③ 「おとり求人」や実態のない募集
応募しても面接が行われない、採用の予定が最初からないなどの悪質なケースもあります。最近では、SNSなどを使った詐欺的求人にも注意が必要です。
④ 「常連求人企業」=離職率が高い可能性
同じ会社が何度も求人を出している場合は、人がすぐ辞めている可能性があります。待遇の悪さや人間関係の問題など、職場環境に課題があるケースも少なくありません。
ブラック求人を見抜くためのチェックリスト
ハローワークの求人でも、次のポイントを確認すれば安全性を高めることができます。
✅ 会社名・住所・連絡先が正確に書かれているか
✅ 給与の内訳(基本給・手当・残業代)が明確か
✅ 勤務時間や休日、残業の有無が具体的に書かれているか
✅ 面接時に労働条件通知書を出してくれるか(口頭だけはNG)
✅ 口コミや行政処分歴をネットで確認したか
✅ 同社の求人履歴(過去の募集頻度)を調べたか
これらをチェックするだけでも、危険な求人をかなりの確率で避けることができます。
応募前にやるべきリサーチ
- 「会社名 + 口コミ」「会社名 + 労働問題」などで検索
- 過去のハローワーク掲載履歴を確認(何度も出していないか)
- 法人登記・所在地を調べる(架空会社やレンタル住所に注意)
- 面接で具体的な質問をする(残業時間、休日取得率、給与締め日など)
虚偽求人に遭ってしまったら
1️⃣ ハローワークに申し出る
→「求人ホットライン」で相談すると、事実確認と是正指導が行われます。
2️⃣ 証拠を残す
→ 求人票のコピー、面接メモ、給与明細などはすべて保管。
3️⃣ 労働基準監督署・労働相談窓口に相談
→ 賃金未払い・長時間労働などの実害がある場合。
4️⃣ 弁護士・労働組合に相談
→ 企業側が悪質な場合や、慰謝料請求を考えるとき。
「ハローワーク常連=ブラック」と言い切れない理由
ネットでは「何度も求人を出す会社=ブラック」と言われがちですが、必ずしもそうとは限りません。
例えば、**季節雇用・業務拡大中の企業・人材の流動が多い業種(介護・飲食など)**では、求人回数が多くてもブラックとは限りません。
ただし、離職率が高い企業ほど求人を繰り返す傾向があるのも事実。あくまで「注意すべきサイン」として見るのが現実的です。
具体例(匿名化)
- ケース①
求人票では「月給19万円・残業なし」とあったが、実際は月60時間のみなし残業込み。超過分の支払いも曖昧。→ ハローワークが是正指導。 - ケース②
「企画職」で募集したが、入社後は清掃業務に従事。→ ハローワークが別職種として再掲載を求める指導。
求職者が守るべき「3つの鉄則」
① 書面で確認する(労働条件通知書・契約書を必ずもらう)
② 給与内訳を明確にする(固定残業・手当・基本給を分けて確認)
③ 不審を感じたらすぐ相談する(ハローワーク・労基署・消費生活センターへ)
まとめ:信頼できる求人を見極める力を
ハローワークの求人の中には、実際の条件と異なる「虚偽求人」や、何度も募集を出す“常連企業”が含まれていることがあります。
しかし、制度としては職業安定法やホットラインなど、通報・是正のルートが整っており、改善も進んでいます。
求職者ができる最も効果的な防衛策は、
- 書面での確認
- 情報リサーチ
- 不審点の通報
この3つを徹底することです。自分のキャリアを守るために、**「調べる力」と「疑う視点」**を持つことが、今の就職活動では欠かせません。