西区西野で箱わなにかかったオスのヒグマを駆除
2025年10月11日早朝、札幌市西区西野で箱わなにかかっていたオスのヒグマ1頭がハンターによって駆除されました。
札幌市の発表によると、このヒグマは体長約1.4メートル、前足の大きさは13センチ。体格から見てまだ成獣になりきっていない若い個体とみられます。
この一件は、今月に入ってから西区で続発しているクマ出没騒動の一環です。
駆除されたヒグマとは別個体の可能性も
西野地区では8日に住宅敷地内で足跡が発見されており、今回の駆除個体とは別のクマである可能性が高いとされています。
さらに9日にもメスのヒグマ1頭が駆除されており、西区では短期間で複数のクマが確認・捕獲される異常事態となっています。
市は「複数の個体が市街地に侵入している可能性がある」として、引き続き警戒を呼びかけています。
ヒグマ警報は継続中 周辺公園は引き続き閉鎖
札幌市は西区全域に発令中の**「ヒグマ警報」**を引き続き継続しています。
市によると、住民の安全確保のため、一部の公園を閉鎖し、児童の登下校時にも注意喚起を行っているとのことです。
札幌市内では2024年以降、ヒグマの目撃情報や住宅地への侵入が相次いでおり、特に西区・南区・手稲区では頻発しています。
なぜ札幌でヒグマの出没が増えているのか?
ここ数年、札幌市周辺でヒグマの出没が急増している背景には、
以下のような要因が考えられます。
- 餌不足:山間部のドングリや果実の不作により、クマが市街地近くまで下りてくる
- 個体数の増加:保護政策の影響でヒグマの生息数が回復傾向にある
- 人里との距離の縮小:宅地開発により、かつての“クマの通り道”が住宅地に近接している
- 人間慣れの進行:人間や住宅地に慣れたクマが逃げずに行動範囲を広げている
こうした複合的な要因が、市街地クマ問題を深刻化させているのです。
住民が取るべき安全対策とは?
市民がヒグマの被害を防ぐためにできる対策として、以下の点が挙げられます。
- 生ごみやペットフードなどの匂いの出るものを屋外に放置しない
- 早朝・夜間の人気の少ない時間帯の外出を避ける
- 住宅地周辺でもクマよけ鈴やラジオを鳴らして存在を知らせる
- クマの目撃情報を見たらすぐに市や警察に通報
一見すると市街地では無関係に思える場所でも、ヒグマは夜間や早朝に静かに移動しているケースがあります。
「自分の地域は大丈夫」と油断せず、常に最新情報を確認することが重要です。
行政への期待と今後の課題
札幌市はこれまでも「クマ出没マップ」や「ヒグマ注意アプリ」などで情報発信を行ってきましたが、
現場対応の遅れや住民への周知不足を指摘する声も多く上がっています。
特に、住宅地に接する里山の管理強化やごみステーション対策は喫緊の課題です。
「人とクマが共存する」という理想を掲げつつも、現実的な安全確保策をどう取るかが問われています。
まとめポイント
- 札幌市西区西野でオスのヒグマ1頭を駆除(体長約1.4メートル)
- 同地区では数日間で複数のクマが確認・駆除されている
- 市はヒグマ警報を継続、周辺公園を閉鎖
- 餌不足・開発・個体数増加などが出没増加の背景
- 住民は「ごみ管理」や「外出時の注意」で自衛が必要
ヒグマの出没は決して“山の話”ではなくなりつつあります。
都市と野生動物の境界があいまいになる今こそ、行政・地域・個人が一体となった危機意識が必要です。
(出典:HTB北海道ニュース「札幌市西区西野で 箱わなにかかっていたオスのクマ1頭を駆除 西区ではヒグマ警報継続中」
