自民党総裁選、終盤の行方は?小泉・高市・林の三つ巴と“未熟な首相候補”への懸念

政治・政策まとめ

自民党総裁選が終盤戦を迎え、情勢は一層緊迫してきました。石破茂首相の退陣表明に伴い実施される今回の総裁選は、295人の国会議員票と同数の党員・党友票の合計590票をめぐる戦いです。序盤から注目を集めた小泉進次郎農相と高市早苗前経済安保担当相に加え、ここに来て林芳正官房長官も支持を伸ばし、三つ巴の構図となっています。

党員票の動向と議員票の積み上げ

9月下旬に実施された日本テレビの世論調査によると、党員票の支持率は高市氏35%、小泉氏28%、林氏23%という結果でした。これを党員票に換算すると、高市氏が110票、小泉氏88票、林氏72票程度と見込まれています。議員票を含めた全体情勢では、小泉氏が160票超、高市氏は150票台半ば、林氏は120票以上と報じられています。ただし、依然として70名近い議員が態度を保留しており、情勢は流動的です。

臨時国会は10月中旬に召集予定であり、野党側の候補一本化が難航しているため、自民党の新総裁がそのまま総理大臣に選出される可能性が高まっています。

キングメーカー不在の時代

前回の総裁選では、菅義偉元首相、岸田文雄前首相、麻生太郎元首相らが“キングメーカー”として影響力を発揮しました。しかし、今回の自民党は衆参両院で少数与党に転落しており、過去のように特定の長老が主導権を握る展開にはなっていません。むしろ「勝ち馬に乗る」動きが強まり、従来のキングメーカー争いは“死語”になりつつあると指摘されています。

小泉氏をめぐる評価と懸念

小泉氏は、保守右派の加藤勝信財務相を選対本部長に迎え、幅広い層の支持を狙っています。しかし、総裁候補としての経験不足は否めず、あるベテラン議員は「人の言うことは聞くから、周りに人がつけば何とかなる」と述べるなど、“操縦しやすさ”を理由とする支持も存在します。

また、政策面では選択的夫婦別姓や解雇規制緩和など、従来の改革路線を後退させ、党内融和を重視する姿勢を見せています。討論会ではペーパーを読み上げる姿が目立ち、「自分の言葉で語れない」との批判も浮上しました。さらに、ネット上で“やらせコメント”を依頼したとされるステルスマーケティング問題も報じられ、候補としての資質に疑問を投げかける声もあります。

高市氏の戦略と課題

高市氏は、前回総裁選で1位通過を果たしながらも議員票で逆転負けを喫した苦い経験から、今回は議員間のネットワーク強化に注力しています。「高志会」と呼ばれる中堅・若手の議員グループを中心に活動し、地盤の拡大を試みています。

ただし、これまでの強硬な保守イメージから一歩引き、「穏健保守、中道保守」を自称するなどスタンスを修正。外交や経済政策でも発言のトーンを抑えています。一方で、外国人観光客のマナー問題を例に挙げ、保守層への訴えかけも継続しており、その一貫性が疑問視される場面もあります。

林氏の巻き返し

林氏は、石破政権を支えた官房長官としての実績を前面に出し、安定感をアピールしています。さらに「日本版ユニバーサルクレジット」や省庁再編など、独自の政策構想も打ち出し、存在感を強めています。

議員票では石破首相の後継を明確に打ち出すことで、石破支持層の取り込みに成功しつつあります。ただし、政策発言の一部が撤回に追い込まれるなど、発信力にはやや課題を残しています。

連立協議と次期政権の安定性

今回の総裁選では、自民党単独での政権運営が困難な情勢を反映し、各候補が維新や国民民主党との連立に言及しています。小泉氏は「理念一致を前提に丁寧な協議を重ねる」と慎重な姿勢を示す一方、高市氏や林氏も一定の前向き姿勢を示しています。維新の吉村洋文代表も「打診があれば協議は当然」と応じており、今後の政権基盤構築における大きな焦点となりそうです。


まとめのポイント

  1. 総裁選は小泉・高市・林の三つ巴で、決選投票はほぼ確実。
  2. 小泉氏は経験不足やステマ問題が懸念材料だが、議員票を着実に積み上げている。
  3. 高市氏は保守層の支持基盤を維持しつつ、イメージ修正を図るが、一貫性に課題。
  4. 林氏は実績と安定感を武器に巻き返し中。石破支持層の取り込みが鍵。
  5. 次期政権の安定は、自公維を軸とした連立協議の進展にかかっている。

今回の総裁選は「未熟な首相候補」と「安定政権の構築」という二つの軸で評価されており、日本政治の今後を占う大きな節目になるといえるでしょう。


(出典:Yahoo!ニュース「未熟な「進次郎首相」を推す自民党議員の本音…あるベテランは「人の言うことは聞くから」と漏らした」

未熟な「進次郎首相」を推す自民党議員の本音…あるベテランは「人の言うことは聞くから」と漏らした(プレジデントオンライン) - Yahoo!ニュース
■自民党員票は高市氏35%、小泉氏28% 石破茂首相(自民党総裁)の退陣表明(9月7日)に伴う自民党総裁選(9月22日告示―10月4日投開票)が終盤戦を迎えている。序盤戦では小泉進次郎農相と高市

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