自民党総裁選(4日投開票)において、選択的夫婦別姓制度を巡る議論は前回に比べて低調となっています。主要候補の小泉進次郎農林水産相をはじめ、5候補すべてが党内の融和を重視し、制度の早期導入に慎重な姿勢を示しています。
小泉氏も慎重に方向転換
前回の総裁選では、小泉氏は選択的別姓制度の導入を目玉政策として掲げ、関連法案を1年以内に提出する公約を打ち出していました。しかし、党内から「強行すれば党が分裂する」という懸念が上がり、最終的に議論は失速しました。今回も賛成の立場は維持しているものの、早期導入については「国民の理解や与野党の合意形成が不可欠」とトーンダウン。党内保守派への配慮が色濃く見られます。
他候補の慎重姿勢と代替案
高市早苗前経済安全保障担当相、小林鷹之元経済安保担当相、林芳正官房長官は、選択的別姓の早期導入に慎重で、改姓による不便を解消するための「旧姓通称使用の拡大」を提案しています。林氏は前回は柔軟な姿勢を示していましたが、最新の世論調査結果を踏まえ慎重路線に変更しました。
茂木敏充元幹事長は明確な賛否表明を避けつつも、「家族の絆」や戸籍制度の重要性を強調し、「結論を急がず合意形成を重視する」考えを示しています。
選択的別姓を巡る世論と経済界の要望
女性や若い世代では、選択的別姓に対する期待が根強く、女性活躍の観点から経済界も制度の早期導入を求めています。前回の総裁選では、小泉氏や石破茂元首相、河野太郎前デジタル相らが前向きな姿勢を示し、活発な論戦が展開されました。
また、国会では立憲民主党や国民民主党が選択的別姓導入法案を、日本維新の会が旧姓使用の法制化を提案。衆院では28年ぶりに審議入りしましたが、いずれも採決には至っていません。この間、自民党内では意見集約が進まず、議論の存在感は低調でした。
保守層の動向と党内戦略
7月の参院選では、選択的別姓導入に反対する新興保守政党が躍進。自民党内には「失った保守層を取り戻す必要がある」との危機感が広がっています。小泉氏陣営関係者も「現状の国政情勢では実現は困難で、別姓問題は戦略的に棚上げする」との認識を示しています。
まとめ:総裁選での別姓議論の現状と課題
- 今回の総裁選では、5候補すべてが党内融和を優先し、選択的別姓導入について慎重姿勢。
- 小泉氏も前回の公約から軌道修正し、国民理解と与野党合意形成を重視。
- 保守派の影響や世論調査結果を意識し、早期導入の明言は避けられた。
- 国会では立法努力が続くものの、自民党内の意見集約不足で採決に至らず。
- 女性や若年層の期待、経済界の要望と党内保守層のバランスが今後の論点。
総裁選を通じて、選択的別姓の議論は党内調整が優先され、実現に向けた具体的な動きは限定的となっています。今後は国民理解の醸成や与党間の合意形成が、議論再活性化の鍵となるでしょう。
(出典:Yahoo!ニュース「選択的別姓、議論低調 党内融和優先、5候補とも慎重 自民総裁選」

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