自民党総裁選(2025年10月4日投開票)に向けた情勢が終盤に差し掛かる中、時事通信の取材によると、小泉進次郎農林水産相(44)が国会議員票でリードを維持している一方、高市早苗前経済安全保障担当相(64)、林芳正官房長官(64)が追いかける展開となっています。党員・党友票については、高市氏と小泉氏が先行しており、1回目の投票では5候補のいずれも過半数に達しない可能性が高く、上位2人による決選投票が行われる公算が大きい状況です。
国会議員票と党員票の仕組み
自民党総裁選は、295人の国会議員票と同数の党員票、合計590票で争われます。決選投票では、各都道府県連の党員票が47票に圧縮され、上位2候補の得票数に応じて1票ずつが配分されます。このため、1回目の投票結果だけでは決定されず、最終的には決選投票での票の行方が勝敗を左右する重要な要素となります。
国会議員票の情勢
1日までの調査やアンケートによると、議員60人以上はまだ態度を明らかにしておらず、情勢は依然として流動的です。現時点では、小泉氏に対する支持が麻生派や旧安倍派、無派閥を問わず広がり、70人超の支持を固めています。陣営によれば、1日の選対会合には代理を含め96人が参加したとのことです。
林氏は50人台半ばの支持を獲得しており、旧岸田派や参院5回当選の議員が中心となっています。石破政権の継承を掲げる林氏は、岩屋毅外相ら複数の閣僚の支援も受けており、陣営幹部は「60人を超える」と自信を示しています。
高市氏は保守系議員を中心に40人台の支持を集めていますが、伸び悩む傾向が見られます。小林鷹之元経済安全保障担当相(50)や茂木敏充前幹事長(69)はそれぞれ30人前後にとどまり、現段階では上位3候補との差が際立っています。
党員票の状況
党員票では、高市氏と小泉氏がそれぞれ3割前後を獲得し、林氏がこれに続くとみられます。国会議員票と併せると、小泉氏が決選投票に最も近い状況であり、高市氏と林氏の争いが激しくなる見通しです。一方で、小泉氏陣営が過去に「やらせコメント」の投稿を依頼したことへの批判がくすぶっており、選挙情勢に影響を与える可能性も指摘されています。
党員票の締め切りは10月3日であり、5陣営はいずれも投開票に向けて態度を決めていない議員への働き掛けを強化する方針です。
まとめと今後の焦点
- 小泉氏が国会議員票でリードを保ちつつ、高市氏と林氏が追う構図で、決選投票の可能性が高い。
- 党員票は高市氏と小泉氏が優勢であり、両陣営の票の取り込みが勝敗を左右する。
- 小泉氏陣営の「やらせコメント」問題など、候補者の活動や発言に対する批判が情勢に影響する可能性がある。
- 投開票までの数日間で、態度未表明議員の支持動向や党員票の動きが、最終結果に大きく影響する。
今回の自民総裁選は、国会議員票と党員票のバランスが結果を左右する重要な選挙であり、候補者間の支持固めと選挙運営の透明性が、今後の注目点となっています。