米連邦政府が一部閉鎖 予算審議不調で数十万人の職員が自宅待機の可能性

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2025年10月1日、アメリカの連邦政府は、議会での予算案審議が合意に至らなかったことを受け、一部機関を閉鎖する事態となりました。これにより、多くの政府職員が一時的に自宅待機を余儀なくされ、社会や経済に広範な影響が出る可能性が懸念されています。

予算審議の不調と政府閉鎖の経緯

連邦政府の予算は米東部時間の10月1日午前0時(日本時間同日午後1時)までに成立しませんでした。このため、新たな会計年度に入った時点で政府の一部機能が停止。これは、2018年12月から2019年1月にかけてのトランプ政権下で発生した35日間の政府閉鎖以来の出来事です。

与党・共和党は上下両院で多数派を占めていますが、上院では予算成立に必要な60票を確保できず、野党・民主党の一部協力が不可欠でした。両党は暫定的に政府を運営するための「つなぎ予算案」を協議してきましたが、医療費助成の延長などをめぐって意見が対立し、妥協が成立しませんでした。

政府閉鎖による影響

ロイター通信などによると、閉鎖の影響で数十万人規模の連邦職員が自宅待機となる可能性があります。国税庁(IRS)は当初の5営業日は業務を継続する予定ですが、その後の業務継続は不透明です。また、外国要人の訪問も原則中止となり、雇用統計や経済統計などの重要な政府データも一時的に発表が停止される見込みです。

一方で、国防や安全保障に直結する業務は継続されます。米軍兵士や国境警備隊、税関職員は勤務を続け、郵便業務も通常通り実施されます。さらに、年金や社会保障給付といった国民生活に直結する支払いも継続されるため、すべての行政サービスが停止するわけではありません。

今後の見通しと課題

今回の政府閉鎖は、長期化すれば経済活動や市民生活に深刻な影響を与える可能性があります。特に、経済統計の停止は金融市場の不安定化を招きかねず、また公的機関の業務停止は地域社会にも影響を及ぼします。
今後は、両党がどのように妥協点を見出し、予算を成立させるのかが注目されます。


まとめのポイント

  • 米議会の予算協議不調により、連邦政府が一部閉鎖。
  • 数十万人の政府職員が自宅待機となる可能性。
  • 経済統計の発表停止や外交行事の中止など、影響は社会全体に及ぶ。
  • 軍や警備、郵便、社会保障給付は継続され、国民生活への最低限の支障は回避。
  • 両党の妥協と迅速な合意形成が、混乱回避のための最重要課題となる。
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