今回のジジポリでは、いわき信用組合による反社会的勢力（反社）への資金提供と、金融庁による再びの行政処分について解説していきます。
① 導入：金融機関に再び深刻な不祥事
福島県いわき市に本店を置くいわき信用組合で、再び重大な不祥事が明らかになりました。
同組合は、右翼団体による街宣活動を止めるために、反社会的勢力におよそ10億円を資金提供していたと発表。
さらに、特別調査委員会の調査で、不正融資の総額が280億円にのぼることも判明。
金融庁はこれを受け、11月17日から1か月間の融資業務停止を含む業務改善命令を出しました。
地域金融機関によるこうした問題は、地域経済の信頼を揺るがす重大な事態です。
なぜこんな不正が長年にわたって行われていたのでしょうか。
② 概要：反社会的勢力に「解決料」名目で資金提供
会見で、いわき信用組合の金成茂理事長は次のように述べました。
「旧経営陣らによる長期にわたる不正資金提供が明らかになり、金融庁から行政処分を受けた」
調査によると、1990年代、当時の経営陣は「不正融資問題を街宣活動で追及する右翼団体」を黙らせるため、解決料の名目で反社に資金を渡していたということです。
その資金源は、顧客の口座を無断で使ったり、他社を経由させる「う回融資」などによって作られていました。
つまり、不正な融資で得たお金が反社への支払いに使われるという、二重の不正が行われていたのです。
③ 専門用語解説（初心者向け）
- 反社会的勢力（反社）：暴力団やその周辺組織など、社会秩序を乱す行為を行う集団のこと。金融機関は法律で「取引をしてはいけない」と定められています。
- う回融資：直接貸せない相手に、別の会社などを経由して間接的に融資する違法行為。
- 業務改善命令：金融庁が金融機関に出す行政処分で、再発防止策の提出や一部業務の停止を命じるもの。
④ 影響と今後の対応
金融庁は今回の処分で、以下の点を求めました。
- 反社会的勢力との関係を即時遮断
- 不正融資の経緯を徹底的に調査し、報告書を提出
- 1か月間、新規顧客への融資業務を停止
また、組合は旧経営陣に対して刑事・民事の両面で責任を追及する方針を示しています。
一方で、地域経済への影響も避けられません。
いわき信用組合は地元企業や中小事業者の資金繰りを支えており、融資停止によって一部の事業者が資金難に陥る可能性もあります。
「金融機関の信頼をどう取り戻すのか？」
「反社排除と地域支援をどう両立させるのか？」
今後の対応が問われています。
⑤ 読者への問いかけ
- 金融機関が反社会的勢力と関係を持つのは、なぜ起こるのでしょうか？
- 行政処分だけで、再発防止につながると思いますか？
- あなたが取引している金融機関は、透明性を保てているでしょうか？
まとめポイント
- いわき信用組合が反社に約10億円を提供していたことが判明
- 不正融資の総額は約280億円に拡大
- 金融庁が業務改善命令と融資業務停止処分を発令
- 組合は旧経営陣の刑事・民事責任を追及へ
- 地域金融の信頼回復が最大の課題に
（出典：Yahoo!ニュース「いわき信用組合 反社に10億円資金提供 金融庁から再び業務改善命令 福島」
