東京地検特捜部は、公設秘書の給与を不正に受け取ったとして、石井章元参院議員(68)=日本維新の会から除名=を30日にも在宅起訴する方針を固めたことが関係者への取材で明らかになりました。石井氏は、これまで国会議員としての活動に加え、茨城県取手市の社会福祉法人の理事長も務めていました。
疑惑の内容と経緯
石井氏は、自身の公設秘書として国に届け出ていた人物の中に、社会福祉法人関係者である親族が含まれていたとされ、給与を不正に受け取った疑いがもたれています。報道によると、詐取された総額は約800万円にのぼるとみられています。
元秘書は特捜部の聴取に対し、勤務実態がなかったことを認め、石井氏からの**「名義貸し」要請**に応じたと供述しています。一方、石井氏本人は周囲に対して容疑を否認していると伝えられています。
公設秘書制度の仕組み
公設秘書は、国会議員を支える国家公務員特別職で、国から月額30万~60万円程度の給与が支給されます。通常は議員事務所が給与口座を管理し、必要経費として事務所費などに充てられます。しかし、今回のケースでは、勤務実態のない人物が給与を受け取り、私的に流用された可能性が指摘されています。
捜査の経緯
特捜部は今年8月、石井氏の議員事務所を家宅捜索し、関連資料の押収と分析を進めてきました。また、事務所関係者への聴取も行い、事件の全容解明を目指しています。
石井氏は、取手市議などを経て、2016年に当時のおおさか維新の会公認で参議院選挙に初当選。その後、2022年に再選を果たしていますが、今回の疑惑は政治家としてのキャリアに大きな影を落とすものとなっています。
まとめポイント
- 事件の概要:石井章元参院議員が、公設秘書給与約800万円を不正に受け取った疑いで在宅起訴される見込み。
- 関係者の証言:元秘書は勤務実態がなく名義貸しを認めているが、石井氏は容疑を否認。
- 制度の理解:公設秘書は国家公務員特別職であり、給与は議員活動に使われることが前提。今回のケースは不正受給の疑いがある。
- 捜査状況:東京地検特捜部は事務所を家宅捜索し資料押収や関係者聴取を実施、事件の全容解明に向けて捜査中。
- 政治的影響:石井氏の政治経歴に影響する可能性があり、今後の裁判の結果が注目される。